レンタルサーバーを使ってブログやサイトを運営するうえで、セキュリティ対策は絶対に避けて通れない重要ポイントです。
「趣味だから大丈夫」「収益がないから狙われない」と油断していると、気づかないうちに不正アクセスや情報漏洩の被害に遭ってしまうこともあります。
この記事では、初心者でも最低限これだけはやっておきたいレンタルサーバーの基本的なセキュリティ対策を分かりやすく解説します。
難しい設定は不要。今すぐできることばかりなので、安心して運営を続けるためにぜひチェックしておきましょう。
なぜレンタルサーバーでもセキュリティ対策が必要なのか?
レンタルサーバーは「企業じゃないし」「アクセス数も少ないし」「自分には関係ない」と思われがちですが、それでも狙われる可能性は十分にあります。
むしろ、セキュリティ意識が低い“個人サイト”の方が、攻撃者にとっては狙いやすいターゲットなのです。
無差別攻撃の対象になることも多い
近年のサイバー攻撃は、「この人を狙おう」というピンポイントではなく、自動化された無差別スキャン・攻撃が主流です。
- WordPressの脆弱性を一括で探すボット
- 古いCMSや管理画面のURLを探すクローラー
- 初期設定のまま放置されたログイン画面を総当たりするツール
これらはアクセス数が少ないサイトにも平等にやってきます。
気づかないうちに改ざんされていたり、迷惑メールの踏み台に使われていたりすることも…。
不正アクセスの放置は「自分だけの問題」では済まない
セキュリティが甘い状態で放置されたサイトは、第三者の攻撃に利用される可能性もあります。
- あなたのサーバーからスパムメールが送られる
- マルウェアが設置されて、訪問者のPCが感染する
- フィッシングサイトのリダイレクト先にされる
こうなると、信頼の失墜だけでなく、サーバーアカウント凍結・Google検索からの除外といった実害にもつながります。
セキュリティ対策は「やってから後悔」じゃ遅い
サーバー攻撃は突然起こり、被害に気づくころには手遅れになっているケースが多いです。
そのため、最初から“やっておくのが当たり前”という意識で最低限の対策を取ることが大切です。
今すぐできる!レンタルサーバー利用者が押さえるべき5つの基本対策
ここでは、初心者でも今すぐできるセキュリティ対策を5つに絞って紹介します。
すべて無料・簡単にできるものばかりなので、「とりあえずこれだけはやっておこう」という視点で実行してみてください。
1. 強力なパスワードを設定する
最も基本でありながら、**攻撃対象になる確率が高いのが“パスワードの甘さ”**です。
- サーバー管理画面
- WordPressログイン
- FTPアカウント
すべてにおいて、英数字・記号を組み合わせた複雑なパスワードを設定しましょう。
また、IDが「admin」など初期設定のままになっていないかも確認しておくと安全です。
2. WordPressやプラグイン・テーマを常に最新版に保つ
WordPress本体やプラグインの脆弱性を狙う攻撃は非常に多く、放置するとすぐに狙われます。
- ダッシュボードの「更新」通知を無視しない
- 使用していないプラグインは削除
- テーマも含めて最新状態をキープ
とくにマイナーなプラグインほど更新が止まりやすいので、信頼できるものだけを使うのが基本です。
3. 管理画面のログインURLを変更(WordPress)
WordPressの管理画面(/wp-admin)は誰でもアクセスできるため、ブルートフォース攻撃(総当たり)に狙われやすいです。
「WPS Hide Login」などのプラグインを使えば、ログインURLを自分だけの任意のものに変更できます。
例)https://example.com/wp-login.php
→ https://example.com/nekoyome-portal
4. サーバー側のセキュリティ設定を確認する
使っているレンタルサーバーによっては、管理画面で簡単にセキュリティを強化できる項目が用意されていることもあります。
- 国別アクセス制限
- WAF(Web Application Firewall)のON/OFF
- 海外IPからの管理画面ブロック設定
- 自動バックアップの有効化
とくにWAFや国外IP制限はチェックボックス一つで有効になることが多いので、必ず確認しておきましょう。
5. 不要なアカウント・ファイルを削除する
- 使っていないFTPアカウント
- テスト用に作ったデータベース
- 旧バージョンのテーマやバックアップファイル
こういった**「そのまま放置されがちなもの」が攻撃の足がかりになることもあります。**
サーバー内の整理整頓もセキュリティ対策のひとつと考えましょう。
WordPressを使う場合のセキュリティ注意点
WordPressは世界中で使われている人気のCMS(コンテンツ管理システム)ですが、その分**「狙われやすい」**という側面もあります。
ここでは、WordPressを使ってサイトを運営する際に特に気をつけたいセキュリティ上の注意点と、その対策を紹介します。
初期設定のまま使わない
WordPressはインストール直後の状態だと、多くの部分が「狙われやすいデフォルト設定」のままです。
- ユーザー名が「admin」
- ログインURLが「/wp-login.php」
- XML-RPC(外部接続機能)が有効化されたまま
こうした状態は攻撃の入り口になりやすいため、インストール後に以下の対応をしておきましょう:
- 管理者アカウントのユーザー名を変更(または新規作成)
- ログインURLの変更(WPS Hide Loginなど)
- XML-RPCの無効化(プラグイン or .htaccess設定)
不要なプラグイン・テーマは削除
WordPressサイトにインストールされているすべてのプラグインとテーマは「入口」になり得ることを忘れてはいけません。
- 使っていないテーマ(特に公式外のもの)
- テスト用に入れたプラグイン
- 更新が1年以上止まっているもの
これらはすべて、**「攻撃されるリスクを増やすだけの存在」**です。
不要なものは残さず、本当に必要なものだけを使うようにしましょう。
セキュリティ系プラグインを導入する
WordPressにはセキュリティ対策のための便利なプラグインが多数あります。
特におすすめなのは以下のようなものです:
- Wordfence Security
→ 総合セキュリティ。ファイアウォール・スキャン機能あり - All In One WP Security & Firewall
→ 設定の自由度が高く、日本語対応も進んでいる - Loginizer
→ ログイン試行回数制限(ブルートフォース対策)
導入することで、不正アクセス・マルウェア・ファイル改ざんなどを未然にブロックできます。
FTP・メール・管理画面の危険ポイントと対策方法
セキュリティと聞くとWordPressの話ばかりになりがちですが、実はそれ以外の部分にもリスクは潜んでいます。
ここでは、特に見落としやすいFTP・メール・サーバー管理画面のセキュリティ対策について紹介します。
FTPは必ず「FTPS」または「SFTP」を使う
FTPは昔からあるファイル転送の方法ですが、「平文通信」なのでパスワードやデータがそのまま流れます。
そのため、通常のFTP接続は基本的に使用禁止と考えておくべきです。
対策:
- FTPではなく、**SFTP(SSH経由)またはFTPS(SSL通信)**を使用する
- FTPソフト(FileZilla、WinSCPなど)で通信方式を選ぶ
- ポート番号なども必要に応じて変更・非公開に
メールの不正利用・踏み台化を防ぐ
レンタルサーバーで独自ドメインのメールを使っている場合、設定ミスやパスワード漏洩によって「迷惑メールの踏み台」にされるリスクがあります。
対策:
- メールアカウントのパスワードは強固にする
- SMTP認証を有効にする(メールソフトでの設定)
- メールソフトの自動ログインを公開PCで使わない
- 大量送信・スパム疑いのある送信ログがないか管理画面でチェックする
サーバー管理画面(コントロールパネル)も対策必須
ConoHa、シンレンタルサーバー、Xserverなど、ほとんどのサービスには**Web上の管理画面(コントロールパネル)**があります。
ここを突破されると、すべてのデータ・設定が一発で乗っ取られる可能性があります。
対策:
- 二段階認証(2FA)を設定する
- パスワードは使い回さず、定期的に変更
- 公共のWi-Fiではログインしない
- 通知メールが来たらログイン履歴を確認
こうした部分も「地味だけど実は超重要」です。
それでも不安なときは?セキュリティ強化サービスや有料オプションも検討しよう
ここまで紹介した対策をしっかり実行すれば、個人〜中小サイトであれば基本的なセキュリティは十分に確保できます。
とはいえ、「どうしても不安」「バックアップは絶対取りたい」「自力で復旧できる自信がない」といった場合は、レンタルサーバー会社が提供しているセキュリティ系のオプションを活用するのも有効です。
自動バックアップ・復元機能(無料 or 有料)
多くのサーバーでは、自動で毎日バックアップを取ってくれる機能が提供されています。
特にWordPressを使っている場合は、データベース・ファイル両方がバックアップされるか確認しておきましょう。
サーバー名 | 自動バックアップ | 復元料金 |
---|---|---|
ConoHa WING | 標準搭載(14日分) | 無料(自己操作) |
シンレンタルサーバー | 標準搭載(最大14日) | プランによって無料 or 有料 |
ロリポップ! | プランにより有料オプション | 1回あたり11,000円(復元依頼) |
WAF(Web Application Firewall)
XSSやSQLインジェクションなど、Webサイトに対する攻撃をブロックする仕組みです。
これも多くのレンタルサーバーで標準搭載されていますが、ONになっているかどうかは手動で確認が必要な場合があります。
ウイルススキャン・マルウェア検出
サーバー内部に設置されたファイルの中に不審なスクリプトや改ざんがないかを検知するサービスです。
たとえば以下のようなものがあります:
- Xserverセキュリティ(自動検出+駆除)
- SiteLock(外部オプション/有料)
- Wordfence(WordPressプラグイン)
有料ではありますが、「何が起きたか分からないけどサイトが壊れた」みたいな事態への備えとしては非常に安心です。
ドメイン・SSLの監視や再発行サポート
SSL証明書の有効期限が切れていたり、ドメインが乗っ取られていたりすると、サイトにアクセスできなくなったり、検索順位が大幅に下がったりします。
- 無料SSLの自動更新が動作しているか
- ドメインのWhois情報が保護されているか
- ドメイン有効期限の通知メールを見逃さない
こういった点も、**“技術が分からない人ほどサーバー側のサポートに頼る”**という考え方でOKです。
まとめ|「自分には関係ない」が一番危ない。今できる対策をすぐに実行しよう
レンタルサーバーを使ってブログやサイトを運営する際、セキュリティ対策は**「プロだけがやるもの」ではありません。**
むしろ、個人サイトこそ無防備になりやすく、攻撃者にとっては狙いやすい存在です。
本記事では、初心者でもできる基本的な対策を以下のように紹介してきました:
- パスワードの強化
- WordPressやプラグインの更新
- ログインURLの変更
- 不要なファイルやアカウントの削除
- サーバーのセキュリティ設定確認
さらに、不安が残る場合は自動バックアップやWAFなどの強化機能・有料オプションも積極的に活用することで、安心してサイト運営を続けることができます。
サイトを守るのは、あなた自身です。
「何も起きていない今こそ、セキュリティ対策を始めるベストタイミング」。
今日できることから、少しずつでも実行していきましょう。
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